はじめに
YouTube動画の編集は時間がかかる作業ですが、特にテロップ入れは手作業では非常に大変です。例えば、5分の動画にテロップを入れるだけで2時間以上かかることもあります。本記事では、プログラムを使ってこの作業を自動化する方法を紹介します。
自動化の流れ
今回の自動化の流れは以下の通りです。
- 動画を音声データに変換
- 音声認識を利用して文字起こしを行う
- 台本を使って文章の修正を行う
- テロップデータを動画編集ソフトにインポートする
それでは、順番に解説していきます。
1. 動画を音声データに変換
まず、動画ファイルから音声データを抽出します。これには ffmpeg
というツールを使用します。
ffmpeg -i input.mp4 -vn -acodec pcm_s16le -ar 16000 -ac 1 output.wav
このコマンドで input.mp4
から音声データ output.wav
を取り出します。
2. 音声認識を利用して文字起こし
音声データをテキスト化するには Whisper
や Google Speech-to-Text
などの音声認識APIを活用します。
Pythonで Whisper
を利用する場合は以下のようなコードになります。
import whisper
model = whisper.load_model("base")
result = model.transcribe("output.wav")
print(result["text"])
このコードを実行すると、音声データ output.wav
がテキストに変換されます。
3. 台本を使って文章の修正
音声認識は誤変換が多いため、事前に用意した台本と照らし合わせて修正を行います。テキストの類似度を計算する方法として、コサイン類似度
を使用します。
from sklearn.feature_extraction.text import TfidfVectorizer
from sklearn.metrics.pairwise import cosine_similarity
def correct_text(recognized_text, script):
vectorizer = TfidfVectorizer().fit_transform([recognized_text, script])
similarity = cosine_similarity(vectorizer[0], vectorizer[1])
return script if similarity[0][0] > 0.8 else recognized_text
この方法を使うと、誤認識された単語を台本と照らし合わせて正しく修正できます。
4. テロップデータを動画編集ソフトにインポート
最後に、修正したテキストを SRT
や ASS
フォーマットで保存し、動画編集ソフトにインポートします。
以下は SRT
ファイルの例です。
1
00:00:00,000 --> 00:00:02,000
こんにちは、これはテスト動画です。
2
00:00:02,500 --> 00:00:05,000
自動化の仕組みについて説明します。
これを video.srt
として保存し、編集ソフトで読み込めば自動でテロップが反映されます。
まとめ
本記事では、YouTube動画のテロップ入れを自動化する方法について解説しました。
ffmpeg
を使って動画を音声データに変換Whisper
やGoogle Speech-to-Text
で文字起こしコサイン類似度
を使って文章の修正SRT
フォーマットでテロップを保存し動画編集ソフトで利用
この方法を使うことで、編集作業の手間を大幅に削減できます。ぜひ試してみてください!
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